見るなキタ━(゚∀゚)━!

トイレの「小」の方で流せるタイプの文章を書きます。そしてお前を許さない。

映画『ティム・バートンのコープスブライド』

映画『ティム・バートンのコープスブライド』を見(けん)

ううん、悪くはないけど分かんない…。星3くらいかな

 

あらすじ

19世紀ヨーロッパ。優しいが気弱で要領も悪いお金持ちの息子が主人公。ある時彼は玉の輿を狙っているある夫妻に政略結婚を調停される。結婚相手である夫妻の娘も「愛がない結婚なんて嫌だ」と乗り気ではなかったが、同じく乗り気ではない主人公が戯れに弾いたピアノを聞いて意気投合。ちゃんと結婚しようと式を開く。

しかし式のリハーサルで、諳誦しなければならない誓いの言葉をうまく言えずリハーサルは終了。たったこれだけのことも出来ないのか、ととぼとぼ近くの森をさまよう。

その森で木々を人に見立てて練習すると、リラックスしたのかどうにか最後まで諳誦でき、彼女に見立てた木に華麗に指輪をはめることができて一安心。

と思ったが、なんと指輪をはめたのは木ではなく死体だった。その死体は自分が求婚されたと思い込み主人公を死者の国へ連れ込んでしまう。

死者の国へ来てしまった主人公は元の世界へ返ってちゃんと結婚するために、彼を連れ去った死者の女性はどうにか彼と結婚するために色々と策を巡らす。

一方で生者の世界では結婚相手が謎の女性と駆け落ちしたと噂になり結婚は破棄、そこで現れた遺産目当ての新しい男と結婚することが決まっていた。

死者の彼女の頑張りや、地上での結婚騒動を耳にした主人公は生き返ることを諦め死のぶどう酒を飲み死者の彼女と結婚することを決め、死者の国総出で生者の世界へ行きパーッと式を上げることにする。

しかし元の世界で彼女の結婚相手が死者の女性を殺した犯人だと知り、主人公はそいつと対決。負けそうになるが、死者の彼女がその様子を見て「本当に結婚するべきは生きてる者同士。無理やり結婚させるなら私もあの詐欺師と変わらないわ」と主人公を守る。

一旦負けそうになるものの、油断した詐欺師が死のぶどう酒を勝利酒として飲み死亡。役目を果たした死者の彼女は生きてる2人を祝福し、満足して空に消えていったのであった。

 

このあらすじ……、ほんまか?

 

感想(前置き)

好きな部分は何が好きか、どこが好きか、嫌いな話ならどう変えたら自分好みになるか、明文化していくことが物語づくりの武器になるとみんな言ってる。歯医者の受付ですら言ってる。なのでそういう感想です

 

感想

好きなところと言えばやっぱりティム・バートンの造形。外国のおとぎ話みたいな姿かたち好き。ディフォルメが効いててちょっと気持ち悪い感じ。それと暗い雰囲気の明るい童話も好きなので、まあ全体的に雰囲気が好きなんですよね。19世紀のヨーロッパってのもいいね。あの時代のゴシックな湿気って良いんですよね。まあもうちっと死者の国の生活感みたいなのがあればもっと好きかも。縦に割れる紳士が一番好きだった。

 

話はねえ、話はなあ、好きな人の本当の気持ちのために自分は自分の欲望を辞退するっていう話は大好きなんですよ。死者の女性は騙されて殺されて結婚できなくて、やっと巡ってきた自分の番だったのに、相手には好きな人がいて、無理やり自分のものにすることも出来るけど相手のことを思って譲る。好きな人のために自分が戦うまでするって話は本当に好き。

なんだけど、この映画は全体的に「欲しい」って気持ちが弱くて、今言った話型になるように動機も行動も振り切ってくれると俺は好きになるなあ。

例えば主人公と生きてる方のヒロインは相思相愛になるんだけどもっと相思相愛であって欲しい。なんなら元々仲良しで子供の頃から結婚しようと約束してたとか。主人公が死者の国に連れ去られた時にあんまり「元の世界に戻ってくれ」って思えなかった。

で、死者の彼女が無理やり連れてきたものの、実は可愛そうな過去があって「こんな強引な結婚してしまうのも無理ないな」と思わせて、彼女を好きにさせて欲しい。そして死者の彼女は段々と主人公の優しさに本当に惹かれだす。主人公は元の世界の彼女が結婚することを知り半ば諦念で死者の国にとどまってせめて死者の彼女を幸せにと誓うが、死者の彼女は彼の優しさに付け込んでるような気がして罪悪感を感じる。で、地上に行ってバトル。みたいな。

 

なんか多分ね、「あ、これこうなるんだろうな」って期待感が薄いのよ。主人公は結婚相手がむちゃくちゃ好きだけど自分が消えて相手が新たな婚約者を見つけてて諦めてしまう。結婚相手の子は自分がフラれたと思って結婚詐欺師と婚約させられそうになる。死者の彼女はこのままほっとけば美味しい思いが出来そうだけど、本当の意味で彼のことが大好きになってしまう。って序盤で3人の状況がハッキリ見えたら3人が邂逅した時のそれぞれの葛藤が予想付くじゃん。そういう欲望の強さが欲しかった。俺は気持ちが強いほうが好き。

 

本当は独占したり可哀想な自分がやっとの思いで良い目を見れるのに、愛した人の本当の幸せを願って一人で戦うって話型はマジで好きなので、それ自体は良かった。

そういう道筋やエンディングが序盤で分かる、「こういう話ね」って理解できるような話が好きですね。

 

終わり