見るなキタ━(゚∀゚)━!

トイレの「小」の方で流せるタイプの文章を書きます。そしてお前を許さない。

アニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』12話

アニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』12話見た。

最終回だからこっちに感想書こう。

さあ、一体どんな最終回なんだ?

 

 

 

…って終わってねえ~!☝️💦

まだ「ありがとう」を言うには早いよアイちゃん!!シュワシュワサイダーみたいに弾けてんじゃねえよ!!

人気出たら続くみたいな仕組み?金?大人って汚いよ…。(作品のテーマに対する叛逆)

せめてノゲノラみたいに一旦決着付けてほしかったナ…。

うえーん。裏切り行為の範疇だぜ。

 

まあええわい。

 

12話。

俺としては一番面白くて好きだった1話と同じ匂いでとても良かった。俺の好みの話だけど、ずっとこの感じだったら弩クリティカルだったな。

 

あらすじ

ワンダーエッグのゲームをクリアすると色々あるらしいけどそれはひとまず置いといて、とりあえずワンダーエッグを割っていくしかないらしい主人公・大戸アイちゃん。

たまごから出てきたのはパラレルワールドで自殺した自分自身だった。

自殺した自分には親友も友達も出来なくてずっといじめられていた。

そして自殺した自分のワンダーキラー(自殺の一番の原因)は先生だった。

主人公と同じように、自殺した自分も先生のことが好きだったのに母親が先生と結婚して自殺したらしい。

ワンダーキラーは「大人は汚い。君をダシにして君の母親と結婚した。大人というのは醜いのだ。だから君たちも大人になってしまう前に、綺麗なままで死ぬが良い」と問いかけてくる。そして大戸アイに親友の小糸ちゃんの幻影を見せ、死へ誘おうとする。

しかしワンダーエッグで戦い、友達が出来て強くなった主人公はそれがおかしいことに気づく。

「自殺して後悔してるんじゃないの?」

母親が先生と結婚することも、先生のことも、親友のことも、自分の気持ちを裏切られた事かもしれないけど、人の幸せを願いたい。信じたい。

そうして生きることを決意し、自殺してしまったもう一人の自分を救い出したのであった。

 

意訳

 

感想(前置き)

俺の個人的な好き嫌いの話で、嫌いな話はこうしたら好きになるなあ。ってことを考える。それが物語を作る修練となるのだとピクサー老師が仰られてました。そういう感想です。よしなに。

 

感想

子どもは純粋で大人は汚くて、きっと大人は子ども騙して自分の欲望を叶えたいだけという思い込み。自分が好きだった先生が引きこもりの自分の家庭訪問してる内に母親とデキてたという、精神的な大ダメージと中学生の私をダシにして乳繰り合ってるという自分で作り出した都合のいい悲劇を、違うよって否定するのがすごく良かった。

大人は汚いんだってフィルターを外して、単純に本当にお母さんたちは幸せを探しているだけ。だったら大好きなお母さんの幸せを、好きだった先生の幸せを願いたい。という克己はめっちゃ心に来るんだよね。自分の望みが全て叶わなくても人の幸せを願う話って超好き。

 

順繰りに書こう。

別時空アイちゃんに「たくさん友達がいて幸せ?」って聞かれたアイちゃんが泣いたあとに「大幸せ!」って言うのがすげえいいよね。

ここも結局「信じる」ことの話で、幸せかと聞かれてイエス・ノーで答えられるわけない。小さいところならケンカもするし、親友は死ぬし母親と先生は結婚するしまあ結構色々嫌なこともある。

けど「幸せなんだよ」って言い切ること。だって友達が出来たんだもん、笑ってられるんだもん、大幸せだよって言い切ること。

笑う門には福来るじゃないけどさ、福ってのは出来事だけじゃないんだ、考え方じゃない?ってのがいいし、そう思えるようになったのが良い。

 

それともうひとりの何も信じられなかった自分に、「自分はここまで強くなれるんだよ」って可能性を見せてあげるのが良い。泣いてる君の中にはこんな可能性が眠ってるんだぜって自分に言うのはグッと来る。

 

そんでさ、お母さんとのエピソードが挿入されていくんだけど、このお母さんがすげえ優しくて、さくらちゃんのパパくらい優しいんだよね。学校に行こうとするけど行けない大戸アイちゃんに対して「栗の皮むき手伝ってくれる?」って言うのよ。大丈夫とか焦らなくていいよとかでもなく、お仕事を与えるってのが接し方としてすごく良い。

 

こういうシーン見るときっと母親はアイちゃんが相談してくれるのを待っていてアイちゃんの幸せを願っていて、アイちゃんもいつか気持ちが定まったら何かを伝えようとしてたんだろうなと思う。けど先生が母親と結婚するとか言い出して、信じられなくなっちゃった。あんたも他人と一緒で他人だったのかよって。でも、だから、あとから主人公側のアイちゃんの言う「後悔してるでしょ」が刺さるんだよね。

 

小糸ちゃんに手を引かれて死へ誘惑されるシーン。

ここらへんがとにかく俺にとってダイレクトなシーンで、要は生きてりゃ良いことあるんだとか未来は汚いとか思うけど実際体験もしてないのに何言ってんだよ、それを確かめもせずに「今が一番綺麗であとはなにもないんだ」って死んじゃうなよ。ってそれが期待は裏切られるためにあるんだと思いこんで死んでしまった小糸ちゃんへの「後悔してるよね」って問いかけになってて良いのよねえ。

とにかく「死ぬなよ」って話はグッと来るんです。打算まみれの大人が汚いかどうかは、そんな大人になってしまうかどうかはお前次第なんだからなに諦めて死んでんだよ、って言葉。

結局多分、俺は「もうちょっと頑張れよ」みたいな応援のほうがグサリと刺さるんだと思う。

 

そこからの自殺してしまった自分に「声に出して言ってよ」と呼びかけるのも良くて、やっぱね、声に出して言って欲しいよね、言葉はね。俺は口に出して叫ぶってが大好きなんだ。「助けてと言え!」「ルフィ、助けて…」「当たり前だ!!!!」ドン!!!ってことよ。

ここからの演出もすごく好きで、まずBGMがエバーグリーンな感じで良い。甘き死よ来たれ的な、意味合いは真逆だけど使い方としては近いかな。そこからデカいエフェクトでばいーんってなるのが、もうデカいだけでテンション上がるし梵鐘みたいな音と空が割れるのも日の出というか、救いというか、内向きの精神世界を崩す感じが出てて良い。

 

んで、偽先生に「君のママも自分の欲望に負けたんだ。君を裏切ったんだよ」と言われるけど、でも引きこもりの自分に優しかったママも本物で、そんなママが裏切るために欲望に従ったわけじゃない、ママはママで幸せになることも自分は自分で幸せになることも、並列して出来るから、ママを信じるんだという答えが良いっすね。人が幸せにならないで自分にだけ優しくして、っていう構ってちゃんはもう辞めだ。という成長の仕方が好きです。

そして偽先生に「信じると言ってるくせに先生のこと好きだって言ってたじゃないか」と過去を持ち出すんだけど、それにもうるせえっつって突っぱねるのがね、いいよね。

 

結局なにに感動してるかっていうと、『からくりサーカス』と全く同じテーマに感動してるので、そういうことなのよ。

 

小糸ちゃんが生き返らせて真実を聞きたいと思ってたけど、本当は感謝したかった。「嘘の友達でも?」の問いに「でもその時救われたんだよ、一人ぼっちじゃなくなって」と答える。

小糸ちゃんがアイちゃんと友だちになろうとしたのは沢木先生のためだったかもしれないし、可愛そうなアイちゃんへの同情に過ぎなかったかもしれない。自分のためだったかもしれない。だけど救われたの本当だよ。って、8話くらいの小糸ちゃんとコックリさんやって「小糸ちゃんと先生は好き同士」の質問にハイになったのと同じ。本当にコックリさんが成功したのかは分からないけど、小糸ちゃんも私も嬉しかったからファンタジーでも良いのだ。

バンプの『透明飛行船』の「優しさの真似事のエゴでも」「優しさの真似事は優しさ」じゃん。

悲劇のほうが信じやすいし信じたくなるけど、真実から美しくあって欲しいと願うけど、救われたのならそれは嘘でも本当のことでしょう、って信じようとする行為が好き。

 

 

はい。

個人的には正直、この話に焦点を絞って6話7話くらいでやるっていう形だったらただただ純粋に好きだったろうなあと思う。で後半は克己した主人公が「未来を信じよう」という信念で「ここで死んだほうが楽なんじゃないか」っていう死の誘惑をされる仲間たちを助けていくっていう形。

例えば小糸ちゃんのことを「嘘の友達」だと認識するエピソードとか普通に積み重ねてくれる方が好きではある。分かるのは分かるけど、語り方としてね…。沢木先生が主人公に興味あるのを知って利用しただけじゃないの?とか葛藤があって疑って、なにを信じたら良いか分からなくなった末にもうひとりの自分を助ける、とか、いやでもそうすると「強くなったんだよ」とは言えないか。自分を救えないか。

だから人を救ってる間にアイちゃんがいつの間にか強くなってて、その答えが12話だったので、じゃあまあこうか…。

あくまで俺の好きな話型として、きっと「まだ先に行けたのになあ」と思ってるからこの12話をもっと早くやってくれていれば、と思うんだろうなあ。

 

まあいいや。

 

 

まとめ

他の話数も語り方が微妙に肌に合わなくて理解しづらかったけど、多分今回のアイちゃんの出した答え的な話をずっとしてたんだと思う。なのでテーマは好きだったんだろうなあ。でもなんかよく分かんなかったんだよなあ。

1話と12話、大戸アイちゃんが強くなる話が好きでした。

 

ワンダーエッグ・プライオリティのプライオリティは、はてさて一体どうなることやら…

 

終わり