見るなキタ━(゚∀゚)━!

トイレの「小」の方で流せるタイプの文章を書きます。そしてお前を許さない。

映画『ライ麦畑の反逆児――ひとりぼっちのサリンジャー』

映画『ライ麦畑の反逆児――ひとりぼっちのサリンジャー』見ました。

サリンジャーフラニーとゾーイーをちょっと読んだだけなのでライ麦畑は読みたいなあとは思ってる。この映画は「なるほどな」という感じで3点くらいですかね。

 

あらすじ

短編は書いてるけど小説好きの令嬢から見向きもされない主人公・サリンジャーは、絶対作家になりてぇと親の反対を押し切って作家の大学みたいなところに通う。自分を過信してた主人公だったが、先生や出版社に何度もダメ出しをくらい、それでもめげずに書き続けたことでたった25ドルの報酬だったが初めて出版される。その後、ホールデンというキャラクターを主役にした短編を書くが、先生に「これは長編にしたほうがいい」と言われ考えてみるがなかなかうまく行かない。

そうしているとある日、戦争が起きノルマンディー上陸作戦に参加することになってしまう。

次々に仲間が死に自分も死の恐怖に晒されて行く中で、ホールデンのことを考えるのだけが彼の救いになった。

ひどい戦争からなんとか帰還したものの、ホールデンのことを考えて乗り切ったがゆえに小説を書こうとすると戦争のことがフラッシュバックし執筆ができなくなる。

そんな時にある宗教に出会い、瞑想し、僧侶のいうことを聞くことでだんだんと執筆に迎えるようになる。

そしてとうとう正面からホールデン=戦争での悪夢と向き合う覚悟ができた主人公は、森の中に小屋で孤独に執筆を始め『ライ麦畑でつかまえて』を書き上げる。

いろんな出版社で不評ではあったがなんとか出版に漕ぎつけると大ヒット。

しかしあまりに売れすぎたためにファンが押し寄せてくる始末。家族も出来たが、嫁も子供も執筆の妨げになる、最初に作家とは何たるかを押してくれた友人となった大学の先生も執筆の邪魔になるとすべてを締め出していく。

最後には出版そのものも自分の執筆の邪魔だと作品も発表しなくなり、90歳になるまで田舎の小屋に引きこもりサリンジャーは延々と執筆を続けた。彼にはそれが幸せだったのである。

 

みたいなね。

 

感想(前置き)

世の中には牛丼が大好きなやつもいれば嫌いなやつもいて、好きでも嫌いでもないなって人もいて、それはそれでみんな違って面白いねってもんで、映画の好き嫌いもその程度のもんだと思うので、disってもギャグだと思ってね。

 

感想

ライ麦畑でつかまえて』を読んでたらまた違うのかもしれないけど、若手の出版社反抗物語としてはまあ弱いかなあ。実話だからフィクションの劇的さを求めても仕方ないとは思うけど。努力を見せるなら『セッション』くらい跳ね返されて全てを捨てて求めていくとか、絶対ホールデンの長編を出版したいんだっていうんならホールデンに懸ける想いをエピソードで語らないとグッとはこないなあ。

読んだこと無いから適当なこと言っちゃうかもしれんけど、ライ麦畑は青年の純粋な主張らしいのでサリンジャーの少年時代を描いて、それが戦争や大人の世界で濁っていく様を描かないと俺にはあんまり伝わんないかなあ。その後に現実の自分は濁っちゃったけどホールデンは「あの時のまま」として人々を救っていく存在であると言わせて、そしたら絶対出版したいという気持ちが伝わる、と思う。まあライ麦畑は半分自伝と言ってるから少年時代を描くとライ麦畑になってしまうから書かなかったのかもしれないし、ライ麦畑を読んでいたら脳内で主人公の変化が分かって感動するのかもしれない。ただ俺は映画にしか興味ないし、映画で完結してない映画はクソだと思っているので頑張れよと。

 

ただサリンジャーの自己中心的な考えや見返りを求めずに作家をやるというのは少し憧れるので見習おうと思う。

なので好きなシーンは学校の先生に「一生出版されなくても書く気はあるか?」と問われるシーンと、僧侶に戦争のトラウマで真っ白い紙を前にしても何も描けない、才能を失ったから作家を辞めないと相談した時に「書くのは才能をひけらかすため?心の内を表現するため?」と問われるシーンは好き。シーンと言うか台詞が刺さる。作家という社会的地位じゃなくて、心の所作としての作家を問いただすのがハッとする。

僧侶のシーンではそのあと、「書けたけど全然進まないし、内容もひどい。破って捨てた」と相談したら僧侶に「楽しんだかな?書くことではなく、原稿を破ることを」と返されるのも作家としての真理を付いてるなあと思う。内容ひどいなあと原稿を捨てるのは辛いけど生きてる感じするからね。リテイクはしんどいけど本当の意味での人生の幸せって感じもする。俺も原稿を破ることをそういうふうに考えようと、良いなあと思ったよ。

 

単純に良いなあと思ったシーンは、戦争に行った主人公が家族でも誰でもなく、一番自分の執筆と向き合ってくれた先生にだけ「生きてます。ホールデンについて考えています」と先生の教えてくれたことを糧に遠くの過酷な地で生きてることを教えるのは好きな人との繋がり方ですね。その人がいるから生きられるんじゃなくて、その人の教えがあるから、正面からぶつかってきてくれた言葉だから生きられるってのが良いよねえ。

その友情も最後には執筆の邪魔だっつって捨てちゃうんですけどね。先生がもっとはっきり落ちぶれて情けなくなっていったら最後の切り捨てもある種のカタルシスがあった気がするけど、そこそこだったからなあ。

 

まとめ

それぞれが幸せになるためには結局自己中心的に生きて、僕は僕に、君は君に拝み倒して泣いたり笑ったり出来るようになんなきゃなと思いました。衝突はあるし生きにくいとかあるだろうけど、家族を顧みて!と言ってる人も結局自己中心的に他人を支配しようとしてるだけだからね、そうして欲しいなら家族を顧みることを幸福とするやつと家族になれ!!!とか近所の犬が言ってたよ。俺は「ワン」と返しました。

というわけで幸せになるためにみんな頑張ろう!!どんな感想だよ!!!

 

終わり