漫才のあれがあれでマヂカルラブリーの話
マヂラブM1優勝おめでとう!!!
……とりあえず本題に入る前に余談から入ります
一体どこまで掘り進めば誰かのファンと言えるのか分からんけど、俺はマヂラブが優勝して本当に感動した。
劇場で見たりとかそういうのはなかったけど、野田クリスタルのYouTubeチャンネルちょこちょこ見たり、ANN聞いてレギュラー化を願ったり、そんくらい。
知ったのもここ1、2年くらいで2017年M1でのえみちゃんとの因縁も見てないのよ。
けど一年くらいずっと見てたら後追いだけど彼らのことを段々と知ってきて、えみちゃんのことをずっと言いながらM1敗退したりゲーム作ったり色々してるのも見ちゃったから、今年のM1すげえ応援しちゃったのよね。
普段M1見ても特定のコンビに肩入れするってことないから珍しいんですよ。
んで、応援はしてたけど正直王道ではないし、ああいうマンガ・アニメ的な発想のネタってお茶の間でウケづらい印象があったので優勝はないだろうなと思ってたのね。
そしたら、フレンチのさ、しっかりしたフリの、あの後の野田がボケ始めるところでさ、めっちゃウケてるじゃん!!うわーーー!!!
ウケてる!!!
うわーーーーーー!!!!
あのネタ、フレンチって呼んでるんかーーーーー!!!!
えみちゃんとの絡みも、多分えみちゃんはガチでマヂラブのこと忘れてんだろうけど面白かったじゃん。良かったーーー!!!!
んで、まさかのラスト3組に残るっていう。すげーーーーーー!!!あのマヂラブが!!!???
そしてつり革のネタ、初めて見たんだけど、なんかやっぱ笑っちゃうんだよね。どのネタも同じようなことしてるのに洗練されてきてるの!
でもさ、ほかの二組も面白かったしさ、ダントツではないなって感じだったじゃん。だから正直分かんなかったよね。でもさ、
おい!!!
優勝!!⁉???!⁉???
あのM1で!!???
かまいたちも和牛も獲ってないやつで!!!???
そんで最後のさ
「最下位とっても優勝できる!」「えみちゃんやめないで!!」
って言葉、もうグッッッッッッッッッッッッと来ちゃうよね。
これは後でかまいたちやナイツ塙が言ってたんだけど、笑いってキャラの認知が大事で、この勝利はネタも含めた今までの努力の勝利だって言ってんの。
つまりマヂラブや野田クリスタルが頑張って世間に「俺達はこういう奴らだ!」「どうだ俺たちは!」って言い続けた結果なの。世間に問い続けることすら難しい世界でだよ?テレビなんて簡単に出られない、YouTubeでだって簡単に再生回数増えないこんな世界で。
人生全部で掴んだ勝利なの。
だから「最下位とっても優勝できる!」って言葉には説得力とドラマがあるのね。
余談だけど、これは漫画でも一緒で主人公を「こんなおもしろいやつなんだ」って認知させられれば勝てるんだよね。そういう意味で本当にドラマなんだよね。
だからさ
こっから本題なんだけど
あれが漫才か、漫才じゃないかって話。
俺はね、定義なんてどうでもいいのよ。
ただね、これに関してダウンタウンのまっちゃんが言ってたことがすげえ良くて、なんかブッスリ刺さっちゃったんだよね。
島田紳助なんかは戦略・自分の強みとして漫才やお笑いやってた節があるけど、まっちゃんってね、本当にお笑いが好きなのよ。
「これが愛じゃなければ、なんと呼ぶのか僕は知らなかった」米津玄師が歌ってる、あれなんです。お笑いを愛してるんです。
だからまっちゃんのお笑い論って正しい正しくないとかを超えて刺さるんですよ。ある種の綺麗事なんです。綺麗事を成せた人なんです。だから泣けるんですよ。
まっちゃんが言ったのは、
「本来漫才に定義はないが、あえて漫才の定義を作って裏切る。それが漫才だ」
これってすごくないですか?
先人たちが作り上げてきた型を、あえて漫才と名付けて先人たちに倣い、そしてそれを壊していく
これってつまり「昨日の伝説を超えていく」ってことですよ。
仮面ライダークウガのOPじゃん!!!!!!
伝説は塗り替えるもの!
完全独走!俺が超えてやる!
これこそが漫才だって言ってるんです。
漫才という表現そのものが伝説を塗り替える、誰も見たことのない明日を作っていくことだって言ってるんですよ。
やば!!!!!!!!!
かっこよ!!!!!!!!!!!!!
最強かよ!!!!!!!!!
それをまっちゃんが言ってるってのがまたかっこいいよな!!!!
もう今は言っても老いてきて、自分らでコントや漫才するわけでもない、基本的にはMCくらいしかしないダウンタウン。あんなに尖ってたのに今は丸くなって仲良しおじいちゃんなりかけコンビみたいな感じになっちゃってるけどさ。
やっぱまっちゃんはまじで笑いを変えた男なのよ。
その男が未だに「漫才は伝説を塗り替えるもの」って言ってんのよ。えぐ!!
だからさ、そもそも漫才か漫才じゃないか論争っていうのがナンセンスなんすよ。
そんな自分の立ち位置図るみたいな、そんなちっぽけな世界じゃないの!
って思っちゃって、なんか泣けてきちゃったの…ぐすん
この話した後にまっちゃんが野球に例えて
「大一番でピッチャーが消える魔球を投げたみたいなもん」
と言ってた。
その様子を見てすっげえプロたちは「うわ!消える魔球だ!」「このタイミングでそれ投げるのか!!おお!!」と思うけど、
中途半端に知ってるやつは「正々堂々勝負しろよ」「なんだその変な球種は」みたいに思ってしまう。
ああああああこれもああああ良いよなああああああ!!!!
ていうかこんなのどの分野でもそうで、前に『Dr.Stone』の原作者・稲垣理一郎先生が
言ってた「科学考証に関して、七割の人に面白がってもらえるように作ってる。三割の詳しい人からはツッコミが来るけど、でも本当にちゃんと考えたら間違ってないように作ってる。中途半端な知識の人だけ間違ってると言ってくる。それはもう仕方がない」と同じ。
これはLGBTQとかも同じで、知識や「偏見なくしましょう」みたいな言葉だけの道徳が氾濫して皆中途半端に詳しくなっちゃったから色々思うところが出てきてしまうんだと思う。俺がそうなんだけど、傷つけちゃいけないなとは頭では分かってるけど、じゃあ実際にそういう人達と仲良くなったことあるのか?って言われればNOなんですよ。色んな情報が小耳に挟めてしまう時代だから「中途半端に知ってる知識一覧」だけが増えてきて、いろんなことが気になっちゃうんです。現代病の一種からも分からんね。本当は俺たち、何にも知らないんだよ。だから変に真っ向からバカ正直に考えるだけ大変なので、できるだけ極めたいと思うことだけ極めていこう!人生は短い!!!
まっちゃんはそういう知識のギャップがあるからこそ食っていけるとも言ってますが、なんかそこはよく意味が分からんかった。どういう意味??
詳しくない人が漫才の定義を勝手に決めていくからこそ裏切れるみたいな話かな。
あ、でもねでもね。
その後話してた内容も良かったよ。
「正統派漫才とかいうけどね、あれはベテランでいまいち爆発力にかける人らをなんとか褒めるために生み出された言葉だから」つってて、……
ヒュ~(口笛)
矜持を杖に黄金を抱いて、この屍の山を踏み鳴らし超えていくっちゅーのが、やっぱかっこいい。俺はそういう人に憧れますし、そういう人こそナンバーワンになっていってほしいと思う。
これはマヂラブではく野田クリスタルの話だけどあいつM1っていう一番でかい大会優勝してもまだキングオブコント狙ってるのほんとにかっこいい。きっと野田クリスタルもお笑いを愛してるんだよ。
俺らはなかなかそれほど何かを愛する才能は持てないけどさ、でも好きなことを見つけて人生という苦悩を楽しめるようになりたいよね。
終わり