映画『ゾンビーワールドへようこそ』
映画『ゾンビーワールドへようこそ』見たが
うーん、良さげなのだけど星3強4弱くらいかな~。主人公が良いやつなのは好きなんだけど。
あらすじ
だーれにも人気ないボーイスカウトを小さい頃からやっているズッコケ三人組。全然人は集まらないけど、その中のひとりの太っちょがボーイスカウトの結構いい賞(?)を取ったので、それを祝うために皆でキャンプしようなと約束。しかし残りの2人、主人公ととにかく女にもてたいヤツはボーイスカウトは人気もないし、子供っぽいし正直もうやめようと考えていた。キャンプの日、辞めたいと思っている2人がキャンプ場に向かう途中、主人公が思いを馳せてるパリピなクラスメイトに会い、夜中に開かれるパーティーに誘われる。とにかく女にもてたいヤツは夜中にこっそり抜け出そうと言うが、主人公はずっと迷っている。主人公と太っちょは「一生ボーイスカウトやろうな」と約束するが、女にもてたいヤツの誘いも断れずこっそり夜に抜け出そうとする。しかし車に乗り込んだところで太っちょに見つかり喧嘩。そのまま別れパーティー会場へ。
主人公と女にもてたいヤツはディスコ的なところに行くが、なんとそこでゾンビに襲われてしまう。
ゾンビに襲われながら出会った気丈な不良娘と攻撃を躱していく。太っちょの方は太っちょの方でゾンビの追撃を躱す。
そうこうしているうちに再びであった3人は異常な事態に仲直りもせぬままゾンビとの追いかけっこをしていく。その途中、出会った事情を知る警察官みたいな人が言うにはウイルスが漏れているから、数時間後にこの街自体を爆破するという。皆逃げようと言うが主人公は誘われたパーティー会場に人がいるはずだからその人達を救おうとする。
「いまこの町を救えるのは俺達だけだ」。ボーイスカウトはダサいダサいと言われ続けたが、ボーイスカウトの技術を使ってそれじゃ皆を救いますか!とパーティ会場へ向かう。
ゾンビで荒れ狂うパーティー会場を、仲直りした3人が自作の爆弾を使って吹き飛ばし、主人公は自分に自信がなくて誘えなかった女の子を、一緒に冒険した不良娘に教えてもらった度胸で誘い告白成功して終わる。
ま、まとめられねえ…。下手か?
感想(前置き)
自分の好きを見つける。嫌いな話もどうやったら好きになるか考える。それが物語を作る訓練となるってもう世界中の人がハミングで言ってるから。3度でハモってるから。必死なので口に気を付けてる暇なんてないぜ。すまんね。
感想
そんなに嫌いではないんだけど、なんだろうなあ。
いつも言ってるように主人公が良いやつであって欲しくて、そういう意味ではすごい良いやつで好き。思春期だからボーイスカウトっていう子供っぽいことは辞めたいって思いながらも、ボーイスカウト好きな友達を裏切りたくはない。けどそいつのためにずっとボーイスカウトするのもなあ。と思ってたり、女にもてたいヤツが目先の性欲しか見てない対比で主人公は気を遣えたりってのは好きだな。最後爆弾の火を着けられない太っちょを置いて皆逃げていったのに、主人公は「おい早く行こう!」って待っててくれたり、自分たちを騙したパリピ共を助けに行ったり、やっぱそういうやつは見てて気持ちいい。
なんかもっとこうだったらなあって言うのが2つあって。
一つはこれゾンビもの全般に言えるんだけど、能動的な目的がなかなか出てこないんだよね。襲ってくるゾンビから極限で逃げるって話になって、極限状態って面白いんだけど、ただやっぱり勝利条件が見えない戦いは俺はあんまし好かん。『アイアムアヒーロー』も良かったけど受動的に逃げるだけになるからなんかダレるんだよね。「ここにたどり着いたら俺らの勝ち!ゾンビの負け!」とか「一日耐えきったら勝ち!」くらいハッキリした勝利条件があると好きになる。
もう一つは、最初に3人が仲違いしたから3人が仲良くなる話だと思ったんだよね。で、仲良くなる話ではあるんだけど、ピークが「ボーイスカウトでも世界を救えるところを見せてやろうぜ」だったのよ。けど別にボーイスカウトがダサい、役に立たないみたいな印象貰ってなかったのね。女にもてたいヤツはずっとボーイスカウトがダサいのが悪いみたいに言ってるけどそれは外部に責任転嫁してるだけだし(要はモテたいヤツ個人の問題で作品全体の問題ではない)、主人公はむしろボーイスカウトの技をちょこちょこ役に立ててたからダサい印象なかった。
だからもっとボーイスカウトが迫害されててそれを全員が根に持ってる、コンプレックスに思ってる。それかボーイスカウトの技をパリピに見せたら「わおwお遊戯会か?w」とか言われる。だけどその技を使って最後に皆を助けバカにしたパリピに感謝されるとかって逆転があったら好きだな。
仲良しになるくだりが、ラストのラストで入るんだけど、「ボーイスカウトが世界を救えるって所見せてやろうぜ」のところで仲良くなるともっと良いなあって思うんだよな。ボーイスカウトがどうとかじゃなくて、単純に3人がまず仲直りする。ただ単に死線をくぐり抜けて「ボーイスカウトを言い訳にしてたけど、やっぱ俺お前らのこと好きだよ。大切な友達だ」とかいう感じで。で、みんな「そうだそうだ。仲直りしよう」からの「それじゃあバカにされてたボーイスカウトの力で、この町を救うか」「応!」ってくると気持ちいなあこれな!
最初のキャンプの時に薪に火を着けるのに火打ち石で着けられなくてライター使っちゃたのが、ラスト爆弾に火を着ける時、今度はライターがないから火打ち石で、ってなったのは熱いな。俺的にはあそこもっと時間割いて太っちょが「僕に任せて」つってなかなか火が着かなくてみんな焦るんだけど「僕はすごいバッチを持ってるんだ!」という矜持でみんなを守る火を着けるとかしても全然良い。最初にバカにされて「もう火打ち石とか無駄なことやめようぜ。ライターでいいじゃん」って言ってたのが、ラストで「これが僕のプライドだ」って誇りに変わる瞬間好きだからな。
あとは話の流れとは関係ないけど危険な動物にあったら逆に威嚇するんだってゾンビと威嚇合戦して最終的にデュエットするくだりは好きだった。緊張状態で戦わないで戦うの好きなんですよ俺。まず話し合おうとするとかね。そういう事するの人の良さが見えるしね。
それで言うと音楽に反応するみたいなのが伏線になるのかなと思ったら全然機能しなかったのはなんなんだ。せっかくなら使えよ。
まとめると
主人公が良いやつだととりあえず見えるし、嫌な話にはならないから良いよね。人を見捨てないからさ。
最終的に何もかも上手く行ってはいるんだけど、それが一個「周りのことやステータス、性欲に振り回されずに友達でいたいやつと素直に友だちでいる」とかっていう何かで改善されて欲しかった。現状、主人公が好きな人と報われるのはまた別の話が展開してるし、ボーイスカウトの話も友情とは別のプロットがあるっぽい。一個図太いテーマでまとまってるほうが好き。
ゾンビに関しては俺はゾンビ自体にすごい興味やこだわりがあるわけではないのでゾンビが出るだけでテンションは上がらず故に「ゾンビ」というフィールドを使ってどうするか、の方が気になるな。例えば『新感染』みたいに列車に詰め込んで前の車両に進んでいくとか。ノーマルなゾンビならゾンビを使った人間関係を見たい。
そういうえばとにかく女にもてたいやつがケツ噛まれたから絶対ひと悶着あると思ったのに何もなかったな…。
終わり