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ドラマ『下町ロケット』ゴースト編2話まで

ドラマ『下町ロケット』ゴースト編2話まで見た

好きなんだけど、う~ん、俺がロケット打ち上げ編から5年で変わったのか…?

 

あらすじ

佃製作所はロケットバルブを作る小さい中小企業。しかしその高い技術力から、帝国重工という大手会社の民間ロケット制作のバルブを委託されている。艱難辛苦あり佃社長の夢、ロケット打ち上げを達成し順風満帆と思ったものの、帝国重工にロケット制作は利益の割が合わないので辞めようという派閥が台頭。それと同時に佃製作所との締結も打ち切られそうになる。

主力のロケットバルブが作れなくなるとまずいと、他の部品制作に身を乗り出しトランスミッションの開発に移ることを決意。

そこでギアゴーストという元帝国重工の社員が独立して作った会社のコンペに佃製作所制のトランスミッションを提出し委託販売をしようとする。

しかしコンペの相手は大手トランスミッション制作会社。真っ向から技術勝負で戦おうとするものの、トランスミッションに関しては一日の長がある向こうに負けそうになる。

ある日、佃製作所側は自分たちがかつて作った人工心臓弁で夢を叶えサッカーをしている少年に会う。その姿を見て、自分たちが力を入れるべきは技術ではなく、その技術で人を幸せにすることだと気付き、トランスミッションを作り直す。

コンペの日、技術力では圧倒的に大手に負けたが、トランスミッションを使ったトラクターの乗り手のことを一番に考えた耐久性能でコンペを勝ち取る。

佃社長はこの勝利から、今ある技術やモノだけで戦うのではなく、この技術を使ってその先にある夢を叶える事が大事だと気付き、もしロケットが作れなくなっても、新たにチャレンジすればいいと決意を改める。

そしてその次の日、帝国重工から次のロケットでは佃製のバルブシステムを使えないと言い渡される…。

 

というのが一話。多分。記憶が薄い。

 

バルブシステムを使えないと聞いた佃社長。実は帝国重工は今ロケット制作反対派の圧力でロケット制作自体が打ち切られそうになっている。その対策として次のロケットをもっとより良いものにしたい。そのためには今のバルブシステムでは不足であり、もっとよいものを佃製作所に作って欲しいと依頼される。納期や金策がギリギリであるが、佃はどうにかこれを承諾し制作に取り掛かる。

一方佃製のトランスミッションを採用し利益を勝ち取ってくれるはずのギアゴーストに異変が起きていた。

なんと特許侵害で訴えられ15億円もの賠償金額を請求されていたのである。このため佃製作所の大事な収支になるはずだった契約も一旦破棄。ギアゴーストは融資を求めツテを当たるが大金を貸してくれるところなどあるはずもなく、倒産の危機を迎えていた。

それを聞いた佃社長はどうにか出来ないかと知り合いの弁護士に相談。すると逆にギアゴーストの特許を相手側が侵害してる可能性があり、その部品を見つけ出せれば交換条件に佃製作所側がタダでギアゴースト社を買収できるのではないかと提案される。現在お金に困っている佃製作所からすれば願ったり叶ったりなので、社員たちは大盛りあがりで特許侵害されてる部品はないか探し始める。

そんなある日、佃社長はギアゴーストの制作を一手に担う副社長とたまたま出会い、彼女の半生を聞いてしまう。父親に憧れて機械いじりばかりしていたという副社長の話に共感。更に、ギアゴーストという会社が産まれたのは、社長副社長が帝国重工で出る杭として打たれいわゆる「幽霊部署」に飛ばされ夢を破られた、その結果独立して産まれた会社「ゴースト(幽霊)」だということを知る。

その話を聞いた佃社長は、世の中はマネーゲームではあるが思いやりを失ったら意味がない、思いやりで人が喜ぶ部品を作ってるんじゃないかと熱弁を振るい、ギアゴーストに自分たちがセコい手で買収をしよとしていたことを素直に話し、以降協力することになる。

その後、佃製作所の方針とギアゴーストとの方針が噛み合わず喧嘩しながらも、お互い認め合い特許侵害を発見。しかし更に良く調べてみると特許侵害とは認められず結局ギアゴーストの夢は破れてしまう。

 一方で佃製のロケットバルブはギアゴーストの人が教えてくれた素材を利用し成功。

その恩に報いるためにギアゴーストを15億で買収し助けることを誓う。

 

ってのが二話かなあ。多分。

 

感想(前置き)

好き嫌いをはっきりさせ、嫌いな物語はどうやったら好きになるのか、それこそが物語制作の練習になるってピクサーの人が言ってました。俺はそれに従います。素直に思ったことを書く練習でもあるので口悪くなるかも。気に障ったらおかきでも食って好きな人と手を繋いで忘れてください。

 

感想

下町ロケットは一番最初のロケット打ち上げ編で痛く感銘を受けてすごい好きで、やっぱフィクションだからこそ夢とか綺麗事を語るのは良いと思うんですよね。現実は金に強欲なやつが勝っちゃうからね。

だからテーマや佃社長が言ってることはすごい好き。夢は何度でも見ればいいとか、どんな時でもフェアにやろうとか。人のためにやるのがものづくりの出発点で、そこを忘れてはいけないとか。俺はそういうの大好きです。

けど、ゴースト編(2話時点)だけで言うとちょっと弱いかなあ。当時のツイート見るとガウディ編も最初微妙だけど最後は良かったって書いてあるから全部見たら分からんが。

ドラマ全体で「最終的にどうなりたいのか」っていう青写真が見えないのが推進力の弱さを招いてる。例えば「ロケット打ち上げにこれだけの思いがあります」「最終的にロケットを打ち上げたい」そのためにどんどん困難が押し寄せてくる。っていう形だからこそ最初の章が一番面白かったのかなあと思う(記憶ないけど)。

ゴースト編はロケットバルブの供給が打ち切られる→どうしよう、別のこと考えよう。他のことに手を出すけどうまくいない→どうしよう、なにか手を打とう。っていう目先の問題に対応してるだけになってるから、ストーリーにはなってるけど、結局「何の話だったの?」って疑問が生まれる。

多分、似た者同士だけど夢が叶う側・敗れる側として、それぞれ佃製作所、ギアゴースト社を対置して、佃製作所はギアゴーストを見捨てれば自分たちは上手くいくけどどうする?って話にしたいんだとは思う。でも見捨てないことですごい大団円に向かう、のかな。

けど一個全編通してのデカい目標がないからロケット作りとギアゴーストとのアレコレが別の話に思えてしまう。

例えば2つの会社が協力することでロケットを作りましょうって目標があって、その過程でギアゴースト側が「俺達はここまでのようです。先へ行ってください」みたいな切り捨てイベント発生、佃製作所はリスクを負いながらも同じ夢を持つものとして「諦めるな」と手を差し伸べる。戯画化しちゃったけど、こんな展開だったらもっと好きだなあ。

2話の最後で佃製作所が自分たちのリスクを背負ってでもギアゴーストに15億を貸そうと決意するシーン。言ってることは好きなんだけどもっとギアゴーストに可哀想感が欲しい。

佃社長が「ギアゴーストは技術を愛してる。すごいことなんだ。使う人の幸せを考えて一生懸命やっている。尊敬できる。訴えてきた大手会社は自分たちにはそれが出来ないからイチャモンみたいな特許侵害の訴えを出してギアゴーストを潰そうとしている。あいつらにはそんな技術がないから、それを踏みにじっているんだ」という台詞は好き。

けど、ならばもっとギアゴーストの愛する技術を敵に踏みにじって欲しい。

現状は、佃製作所とギアゴーストの社員が一緒に部品を精査するのに喧嘩してその後お互いの長所を認めあいましょうってギアゴーストの副社長が学校の先生のようなおおらかさでみんなを諭すが、これじゃないんじゃないか。例えばもっと単純に佃製作所側がギアゴーストの技術すげえって言ってリスペクトするエピソードを入れる。こんなにすげえ技術力を持ったギアゴースト社が金の問題で消えちまうのか…?って話にする。

で、更に敵側には「技術なんていらない。どうやって効率よくライバルを蹴散らしてものを売るか。技術なんかに心血注いでも無駄なんですよ」とか、大切なものを踏みにじらせることを言わせて、めちゃくちゃヘイトを貯める。

で、特許侵害返しできるか?と思わせて出来ない。がっかりしたけどギアゴースト側は「手助けしてくれてありがとうございます」って悲しいところは微塵も出さずに笑顔で帰る。

アゴースト社に帰るとあれだけ共闘し尊敬した社員達がすげえ悔しそうにしている。すごい技術を持っているのに、敵の狡猾な手段で失われていく。社長「すまない。これでギアゴーストは終わりだ」社員「社長のせいじゃないですよ」みたいなやりとりで敵へのヘイトとギアゴーストの可哀想度(助けてあげたい度)を高めていく。

って追い詰めた上で先述の佃社長の台詞を吐かせれば感動できる!と思う!

俺は綺麗事大好きだけどやっぱそのまま言っても仕方ないとも思ってるから、どんだけ「現実ってこんなもんだな」「自分が危険な目にあってまで(我社の安定を捨ててまで)助ける意味ないよな」と思わせられるか。それでも「助ける!」と言えることにフィクションとしての意味があると思います。

 

まとめ

全編通しての物語の最終目標地点がある方が好き。

夢や綺麗事は「絶対諦めたほうが楽じゃん」「仕方ないよ、世の中こんなもんだよ」って嫌になるくらい追い詰めて「それでも夢を捨てるのは違う!」って逆転して超絶ハッピーエンドになる、先が読めようが最高に王道の話が俺は大好きです。

 

終わり