映画『12モンキーズ』
映画『12モンキーズ』見たのである。
星4弱、3強にしておこう。この時代のSFが好きだからというただそれだけ。
あらすじ
人類がやばいウイルスで死滅し、生き残った人間は地下にいる未来。服役している主人公は労働として防護服を着せられ地上に出てサンプルを採取する仕事をさせられている。
ある日真面目な勤務態度が上層部に認められ、タイムマシンで過去に向かいウイルスがばら撒かれたその日を止めに行く任務を与えられる。
だが、過去で「未来がやばい」とか言っても心の壊れちゃったヤバい人だと思われ精神病棟に入れられる。「嫌な現実から目をそむけるためにあなたが作り出した妄想なのよ」
過去と未来を行き来し、精神科医と話しているうちに主人公は人類が死滅した未来のほうが妄想な気がしてきてこっちの過去の世界で生きようとするが、逆に精神科医の方は彼が言ったことが正しかったり摩訶不思議な出来事を見たりしてだんだん彼を信じ始める。
そして2人は協力し、ウイルスをばら撒いたやつを見つけるのだが、それは止められず、果たして彼の考えは現実なのか妄想なのかも分からないまま…。
感想(前置き)
藤田和日郎先生は言った。好き嫌いが君の武器だと。武器を磨きたいんだ俺は。そんな感想です。
感想
これは面白いとかじゃなくて、本当にただ雰囲気が好きっていうあれ。テリー・ギリアムは未来世紀ブラジルを見たことがあるんだけど、あれを話し全然覚えてないけど場面場面は印象的で好き。
スチームパンクなガジェットや、檻から出る時に鎖が垂らされて出るという密度重視の設計、ごみごみしてざらついた埃っぽい街並み、真っ白くてテレビのCMが流れ続ける精神病棟、良いですねえ。
話も結構良くて、自分に与えられた大義のために「正常と異常」という圧力の中戦ってみるが、最後まで自分が信じてることが嘘か本当か分からないってのが好きなんですよね。唯識論ぽい「世界は畢竟、自分の頭の中だけで想起されているものなのでは」というサイバーパンク的な考え。よくでかい試験管に脳みそだけ浮いてて自分は肉体を持って生きてるんだって考えてるやつあるんじゃん。あれね。あれを俺は勝手に「90年代のやつ」と呼んでます。
マトリックスやFF7もそういうところがあってね、疑う余地すらない世界の基盤がグラっと崩れた時、何をするのかってのが好きなのよね。選ばれた者かと思ったらただの一般市民でしかなかったっていう。ブレードランナー2049もそうだよね。でも選ばれた勇者じゃなくても生きる意味ってあるもんねえ。ただ12モンキーズはそこまではいかない話っぽかった。正直全部は理解してないと思う。
ま、兎にも角にも美術が好き。めっちゃ金掛かってるよね多分。
広い部屋に医者がズラッと並んで主人公がパイプ椅子に座ってる面談とか、未来の上層部に話しかけられる時に椅子が高いところにウィーンて上がるのとか、ああいう細かいところが好き。
終わり