M1アナザーストーリー
(気持ちがすげえ揺さぶられたから書いてみたけど、眠くて何書いてるか自分でもよくわかってない。明日の俺ちょっと読んで感想聞かせてくれ)
今年は個人的にも色々あって、久しぶりに大晦日に大晦日の寂寞を感じてる。
そのせいもあってM1アナザーストーリー見て大号泣してる。
今年一番ってくらい泣き笑いしてる。
最後に野田クリが泣くシーンあるけど、全く同じ顔して泣いてた。お前は何もしてねえ!
でもやっぱり改めてお笑いってすげえなって思った。こういう芸事は、音楽でも漫画で執筆でもなんでもだけど、裏側にすごい苦悩があると思うのね。だけどお笑いのすげえかっこいいなって思えるところは、すげえ苦労を微塵も感じさせずにバカをやり続けることなんだ。
音楽なら泣いたら泣いたままライブできるじゃん(やるかどうかとか、それが良いかは別として)。漫画なら鬱な気持ちをそのまま書き殴れるじゃん。
お笑いってそういう全ての憂鬱を全て喰い殺して笑って、「バカだなぁ」って言われることをするの。
俺なんかは嫌なことあったら嫌だなあって思って、でも不機嫌を人に見せるのも駄目だから必死で抑え込んで、でもちょっと漏れ出るみたいな、そんなこと多々あるけど、彼らはそれをゆうに超えて人の機嫌を良くするんだから、かっこいいよなあ。
出番待ちしてるコンビや終わった後の暫定ボックスのコンビがものすごい面持ちしてて、けどネタやってる場は笑顔で溢れている。この対比がかっこいい。
感情がでかすぎて何から書けばいいか分からん。むっちゃ外堀から埋めるような文章になってる。まあそれもいいか。
番組見直しながら順繰りに思ったことを書いていこう。
順繰りと言いながらまず見取り図の話。
こいつらもM1初回でまっちゃんから「そんなにうけてなかったかなあ」と言われてる。マヂラブに劣らずかなりきつこと。
俺が本当に凄いなって思うのは、「M1チャンピオンという人生を歩みたい」って言ってるところ。夢を追うとは簡単に言うけど、本気で言えるか?本当にその道を見据えていること、その情熱を維持するために日々努力していること。だからこそチャンピオン以外はとにかく悔しい、悔しいよなあ。
「M1チャンピオンになったら、全然違いますよね。お客さんはチャンピオン獲った漫才が見えると思うわけですから。もっと沢山の人に喜んでもらえる」
そういう自分をイメージできるか。そっち側に行こうともがく熱意を本当に尊敬します。
それほどの熱さを抱えながら暫定ボックスで最後の最後で3位が確定した瞬間、トリのウエストランドが落ちた瞬間、ここでちゃんと「喜ばない」ところがかっこよかった。勝つことは誰かが負けていることで、自分たちだけじゃなくて他の芸人にも敬意があるのが尊敬できる。
おいでやすこが
おいでやすこがで印象に残ってるのは、「漫才で勝てないから鍛えてきたピン芸で勝負する」という戦略性。
島田紳助が漫才はネタ合わせじゃなくて会話のテンポのほうが重要だと言ってた。だから公園で練習するんじゃなくて歩きながら歩調を合わせてテンポも合わせていく練習をしたほうが良いと。
おいでやすこがは「それをやってきている漫才師に勝てない」と踏んで阿吽の呼吸がいらないネタで戦おうとしたことがすごい。
そしてマヂカルラブリー!
こいつらが本当に、本当にかっこいい。
特に野田クリスタルがもう本当に俺の琴線をぶらぶらとかき鳴らす。
ちょっと話逸れるけど番組の構成上手くてまず「彼らにとってのM1は漫才師としての誇りを取り戻す戦いだった」から始まるのがまじ上手い。
彼ら何回だって心折れる瞬間あったろうに、特に3年前のM1はもう駄目だったろうに、諦めたら楽になれるのに、「腐らなくてよかった」と言った。決勝に残っても「喜べない」「怖い」と言った。怖くない人生などその本質を欠く。その通りだね。正直もう俺なんの感情で揺さぶられてるか分かんないんだけど、とにかくなにかしらの希望を見てるね。人生の希望を。
関係ないけど16歳の野田クリスタル顔怖くてウケる。
野田クリやってることがずっと変わってないのよなぁ。これが本当にすごいと思う。自分が面白いと思ったものを信じ続けることはそれを面白いと思った自分を信じ続けることなんだもん。自分を信じ続けることってこれほど大変なことはない。しかも勝負の場でだ。初心をぶらさないでいることの力強さ。
その上で「賞レースで不利だと思うか?」に対して「それは審査員が決めること」「面白いことをやってんだったら正解」という、ウケないことを他人のせいにもしないその誠実さを持っている。
やっぱ自分たちのネタが好きなんだろうね。勿論客受けとすり合わせていくのだろうけど、でも大好きなんだろうね。自分がやる笑いが好きだってすごいよな。いいなあ。
「アイツラのほうがウケてる」なんてことも何度もあったろうにそれでも自分たちの「面白い」を信じ続けて2017年とうとう十数年掛けて目指した頂きに手を掛けた。
そこで「お前ら本気でお笑いやってるのか」と言われるって、もう本当に悔しくて仕方ないよなあ。世界で一番悔しいよ。
でもここで悔しさを衆目に晒さないでむしろそれで笑いを取っていったり、これからもずっとふざけ続けていく道を選んだ。「なにやってたんだ俺は…」って人生振り返ってしまうようなところを
「終わりかけてますから人生」「そしたらもう勝たなきゃ」って前を見続けられるその気持ち。本当は無理やり言い聞かせてるだけかもしれないけど、それだってすごいよ。
本気だろうが本気じゃなかろうが言えないよ。2020年決勝に舞い戻ってきて
「死んでも負けない」
「俺が一番面白い」
「それを証明しに来た」
なんてさ。自分なんて大したことないですよ、って言ってしまうよ。絶対に引いちゃいけないプライドってあるんだよ。
マヂカルラブリーは和牛やミルクボーイみたいにはなれないと気付いて戦ってる。
こうやってぐちゃぐちゃと羅列していって気付いたけど、俺不器用な人が大好きなんだ。なんにも上手く出来ない。こっちのが人気あるからって乗り換えられない。今更生き方なんて変えられない。器用に立ち回れない。そういうたった一本の槍を持って戦場に挑むようなヤツ。そういやアイシールド21もその面が好きだったな。
「比べられない存在でありたい」全くもってその通りでその勝利。
「ウケれば名作。滑れば駄作」他人のせいにしない、笑いへの誠実さ。
野田クリスタルの考え方全部がかっこいいんだよなあ。
しかもあれだけ野望を抱いてあがいて打ち砕かれた2017→2020年のリベンジマッチ、絶対めちゃくちゃ怖いじゃん。自分たちで「嬉しいより怖い」って言ってるじゃん。一言噛むのさえ怖いじゃん。
それなのに「土下座しながら出ようかな」って、この場面で勝負に出られるのがすごすぎる。滑ったら終わり、人生掛けてるリベンジの一発目、練り上げたネタでもない、掴みの掴みで土下座をしようとしう根性よ。
実際せり上がり出てきた時「野田クリやっぱ面白えな」「変なやつだな」「こんな時でもおちゃらけてるバカだなあ」って思ったよ。ヘラヘラ笑ったよ。
でもこれが出来たら死んでもいいって時に「バカだなあ」って思わせることって本気ですごいよね。すごいとか本当にとかしか言えないのだけど。
これが本気じゃないならなんだっていうんだよな。
前書いた記事と同じこと言うけど、そう思ってもらえるほどに認知度を上げ続けた彼らの努力ね。見取り図が言ってた「M1チャンピオンになればチャンピオンの漫才が見えるといってもっと客に喜んでもらえる」認めさせたい人に認めさせるために他のチャンピオンを獲ったのがまじですごい。
錦鯉もすげええぐい好きな話なんだけどもう長いから疲れちゃった。寝るわ。急に。
おやすみ。
終わり。